iRacing window settings

iRacing での画面設定についてまとめた.

NVIDIA Surround なしで iRacing を3画面表示する方法

NVIDIA Surround のデメリット

ゲームを複数画面表示するには NVIDIA Surround や AMD Eyefinity を利用し,仮想的に大画面のディスプレイを作成する方法がある. しかしながら,NVIDIA Surround には以下の短所がある.

  • 仕様(解像度,リフレッシュレート,同期極性)の異なるディスプレイを組み合わせることが出来ない
  • Windows には非常に横長のディスプレイとして認識されるため,タスクバーが長くなる
  • NVIDIA Surround そのものが不安定で設定の際にトラブりやすい

自分の環境では最後の点が問題になった.(有効化/無効化する際にフリーズするケースが何度もあった.)

iRacing での3画面設定方法

iRacing では,NVIDIA Surround を使用せずに3画面表示することが可能なので,設定方法をまとめておく.

C:\User\XXX\Documents\iRacing\rendererDX11Monitor.ini[Display] を変更して設定する. border=0;, fullScreen=0; でボーダーレスウィンドウモードを設定する. その上で, windowedHeight, windowedWidth に解像度を,windowedXPos, windowedYPos にメインディスプレイに対する表示位置のオフセットを書けば良い. また,この設定が上書きされないように windowedAlignment=0 を設定しておく必要がある.

例えばWQHD(2560x1440)のディスプレイ3枚で構成し,中央のディスプレイをメインディスプレイに設定する場合は以下のようにすれば良い

[Display]
border=0            ; window border?
fullScreen=0        ; fullscreen?
windowedAlignment=0 ; windowed mode alignment: 0 - none, 1 - center, 2 - top left
windowedHeight=1440 ; windowed mode height
windowedWidth=7680  ; windowed mode width
windowedXPos=-2560  ; Window top left corner in windowed mode
windowedYPos=0      ; Window top left corner in windowed mode
[Display] の設定の詳細
  • border: ウィンドウボーダーの表示
    • 上記の設定例ではボーダーレスウィンドウ表示(=0;)を使う
  • deviceIdx: レンダリングに使用する GPU のID
    • GPU が1枚なら =0; のまま
    • GPU が複数あるなら指定が必要(最初のコンフィグ時に選べば良い)
  • displayRotateMode: ディスプレイの回転
    • 通常は =1; landscale(多分 landscape の誤植)で良い
  • EnableHiddenLoadMode: ロード中に iRacing UI を表示するか
    • お好みで
  • fullScreen: フルスクリーン表示
    • 上記の設定例ではウィンドウ表示(=0;)を使う
    • 多くのサードパーティオーバーレイではウィンドウ表示が推奨されている
  • fullScreenDepth: HDR 時の色深度
    • HDR 使用時に =32; HDR10=64; HDR16F で指定する
  • fullScreenHeight: フルスクリーン時の解像度(縦)
    • 上記の設定例では使わない
  • fullScreenWidth: フルスクリーン時の解像度(横)
    • 上記の設定例では使わない
  • HDRFormat: HDR の使用
    • =0; で SDR,=1; で HDR
  • ModeScaling: スケールモード
    • app.ini を弄るのであれば基本的に =0; unspecified
  • pixelRatio: フルスクリーン時のピクセルレシオ
    • ピクセルが正方形でない場合に使用するオプション
    • 基本的に =1.000000
  • pixelRatioWindowed: ウィンドウ表示時のピクセルレシオ
    • 上に同じ
  • RefreshRate: リフレッシュレート
  • uiSafeMode: iRacing UI でグラフィックス機能を使わないか
    • 基本的に =2; no(GPU を使う)で良い
  • windowedAlignment: ウィンドウ表示位置調整
    • 上記の設定例では =0;(調整しない)を使う
  • windowedHeight: ウィンドウ表示時の解像度(縦)
  • windowedMaximized: ウィンドウ表示の最大化
    • 上記の設定例では =0; を使う
  • windowedWidth: ウィンドウ表示時の解像度(横)
  • windowedXPos: ウィンドウ表示時の表示位置(横)
  • windowedYPos: ウィンドウ表示時の表示位置(縦)

ウィンドウモードの iRacing で G-Sync を有効にする方法

NVIDIA の GPU にはディスプレイのリフレッシュレートをゲームのフレームレートに同期させる機能(VRR: Variable Refresh Rate)が搭載されている. 少し前までは NVIDIA の GPU で VRR を使用するには高価な G-Sync 対応ディスプレイが必要だったが,2019 年以降は G-Sync Compatible 機能として FreeSync・Adaptive Sync 対応の比較的安価なディスプレイでもVRRを使えるようになった. (ただし,NVIDIA が正常な動作を保証するのはテストを行なって動作を確認した G-Sync Compatible ディスプレイのみである.)

三画面ウィンドウモードの iRacing では G-Sync Compatible を有効化するのに一手間必要だった.

Windows・NVIDIA 側の G-Sync 設定

G-Sync を有効にするには以下の設定が必要

  1. NVIDIA Control Panel(NVIDIA コントロールパネル)の設定
    • NVIDIA 公式の設定方法 の通りに G-Sync Compatible を有効化
      • 1.Enable for window and full screen mode/ウィンドウ表示および全画面モード を選択
    • G-Sync の有効表示 も設定
      • 有効化されていればゲーム画面右上に緑色で G-Sync と表示される
  2. Windows 10 の設定
    • Settings → System → Display → Variable refresh rate を有効化

iRacing で G-Sync を有効化

Windows・NVIDIA の設定で G-Sync を有効にしても iRacing で G-Sync が動作しない場合があるので,NVIDIA Profile Inspector を使って有効化する.

  1. リンク から NVIDIA Profile Inspector をダウンロードしてインストール
    • Assets -> nvidiaProfileInspector.zip をダウンロード
    • zip を適当な場所に展開
  2. NVIDIA Profile Inspector を念のため管理者権限で起動
  3. Profiles: から iRacing: Motorsport Simulator を選択
    • 2回目以降は右の家のマークから選択可能
  4. G-Sync の設定を選択
    • G-Sync Application mode / G-Sync Global mode の項目で Fullscreen and Windowed を選択
    • G-Sync Application state の項目で Allow を選択
  5. 右上の Apply changes をクリックして設定を適用
  6. iRacing を起動して,画面右上に緑色で G-Sync と表示されていれば有効化されている

GeForce Driverの更新・NVIDIA Control Panel の設定変更・PCの再起動・等で G-Sync が無効になる場合があるので,その際は同じ手順で有効化する.